認知症とは、認知機能(物ごとを記憶する、言葉を使う、計算する、問題を解決するために深く考えるなどの頭の働き)の障害や、行動・心理症状(妄想や幻覚、興奮、徘徊といった、性格や身体の状態などの要因が加わり、行動面や心理面に2次的に現れる症状)が次第に進行することによって日常生活や社会生活が困難になる状態を言います。
年をとれば誰でももの忘れなどをするようになりますが、認知症は老化ではなく、脳の病気です。記憶や思考などの能力が少しずつ低下して、日々の生活に支障がでるようになります。原因となる脳の病気や障がいは、脳の部位などによってさまざまな種類や症状があります。
加齢による普通のもの忘れと認知症によるもの忘れは違います。例えば、朝ごはんに何を食べたか思い出せないといった体験の一部を忘れるのは普通のもの忘れですが、朝ごはんを食べたこと自体を忘れてしまうような場合は認知症が疑われます。
認知症の代表的な疾患には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭葉型認知症などがあります。認知症のような症状が出現する疾患であっても治療により改善できる可能性がある病気としては、甲状腺機能低下症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、ビタミン欠乏症などがあります。
認知症の原因となる病気はさまざまですが、早期に発見して早期に適切な治療をはじめることで、年齢相まで改善が期待できるものがあります。
症状が悪化する前に適切な治療やサポートをすることで今の状態を維持し、進行のスピードを遅らせることができる場合があります。
本人や家族が話し合って治療方針を決めたり、利用できるサービスを調べたりして「認知症に向き合う準備」を整えることができます。
認知症はあなたの気づかないところで進行しているかもしれず、早期発見・早期対処が何よりも大切です。身近な家族に「あれ?何か変だな?」と感じたら、まずはチェックシートを確認してみましょう。(※このシートはあくまで目安です。)